自分のアルコール分解能力を調べられる「アルコールパッチテスト」。
自宅で手軽にチェックできますが、その信頼性はどんなものか気になるでしょう。
実は、アルコールパッチテストの信頼性はすでに研究されており、論文にもまとめられています。
ここでは、アルコールパッチテストの信頼性と、注意点について解説します。
[cc id=”728″ title=”続きを読む”]
アルコールパッチテストは、アルコール分解能力の判断に「有効」!
宇都宮大学教育学部の小宮氏らの研究によると、「パッチテストの有効性を支持する結果が得られた」という結論が出ています。
リントパッドを除去した直後と10分後の判定結果を比較すると,10分後の判定において ALDH2 遺伝子多型とパッチテストとの間でより高い一致性が見られた.
パッチテストの判定とアルコール関連遺伝子多型との間には統計的に有意な結果が得られ,測定者間の一致率も高いことから,簡便なパッチテストの使用は有用であると考える.
研究方法は、簡単に言うと、被験者の「アルコールを分解する酵素の遺伝子」と「アルコールパッチテストの結果」を見比べて、傾向が一致するかどうかを調べるというものです。
研究の結果、この一致率は非常に高いことが分かり、アルコールパッチテストは有効だと判断されました。
アルコールパッチテストは、お酒への強さを知るために活用できるでしょう。
しかし、「肌の状態の影響を受けやすい」ので判定が難しい
しかし、ひとつ問題もあります。
それは、肌の色によって判定が難しい場合があることです。
同一の測定者における異なるパッチテスト時期の判定の一致率はいずれも70%以上であったが,完全には一致しなかった.
この原因として季節差による皮膚の色が関与し,パッチテストの結果で赤色やピンク色と判定された者に不一致が多かった.
<中略>
パッチテストの有効性を支持する結果が得られたが,測定者間の誤差及びパッチテストを行う季節に伴う影響が少なからず生じることも明らかとなった.
肌の色や、判定をする時間帯、季節によって判断が難しくなり、間違った判定をするおそれがあります。
特に、肌の色が変わったかどうかの判断は、どうしても主観的になってしまいます。
アルコールパッチテストは、お酒が「飲める」か「飲めない」かをざっくりと知るには良いですが、どのくらい飲めるかまで知るのは難しいです。
アルコールパッチテストのやり方は、「アルコールパッチテストのやり方を紹介!自宅で簡単4ステップ!」をご覧ください。
せっかく検査するなら「遺伝子を検査できる方法」をおすすめします
お酒に対する強さを調べるなら、私は、遺伝子を検査することをおすすめします(検査方法は後述します)。
自分のアルコール分解能力を正確に知れるので、どれくらいお酒を飲めるのか分かります。
アルコールを分解する酵素の遺伝子には「NN型」「ND型」「DD型」の3種類があります。
お酒を飲める体質(NN型)……相当な量を飲まないと赤くならない
お酒をまあまあ飲める体質(ND型)……コップ1杯ほどのビールで赤くなる
お酒を飲めない体質(DD型)……ND型よりも早く赤くなり、それ以上飲めない参考:全日本下戸生活連絡会 (2003). 下戸でも自信が持てる本―酒の飲めない人生はこんなに楽しい! 廣済堂
「NN型」の方は、いわゆる酒豪と呼ばれる、たくさんお酒を飲んでも気持ち悪くなりにくい人です。
「ND型」の方は、最初はお酒に弱いのですが、お酒を飲み続けることで遺伝子の活性が高まり、ある程度お酒に強くなる可能性があるという特徴があります。
「DD型」の方は、お酒に弱く、飲み続けてもお酒に強くなりません。
ちなみに、「DD型」の遺伝子を持つ人は、日本人の約4%ほどだと言われています。
残りの96%は、お酒が飲める「NN型」や、まあまあ飲める「ND型」に分類されます。
出典:全日本下戸生活連絡会 (2003). 下戸でも自信が持てる本―酒の飲めない人生はこんなに楽しい! 廣済堂
遺伝子を調べる2つの方法
ここからは、アルコールを分解する酵素の遺伝子を調べる方法を2つご紹介します。
方法1.「遺伝子分析キット」を使って自宅で検査する
自分がどの遺伝子を持つのかチェックするには、市販の「遺伝子分析キット」を使います。
購入はこちら
『アルコール感受性遺伝子分析キット』
使用方法は簡単で、自宅にいながら検査できます。
分析キットで口腔粘膜を採取し、ポストに投函すると15日営業日ほどで結果レポートが届きます。
アルコール感受性遺伝子分析キット使用の流れ
出典:アルコール感受性遺伝子検査キット- ハーセリーズ・オンライン
こちらの分析キットでは、「ADH1B」という、アルコールをアセトアルデヒドに変える酵素の遺伝子体質も分析してくれます。
分析結果を、ALDH2とADH1Bの遺伝子の判定をかけあわせて、9タイプで表示してくれます。
出典:アルコール感受性遺伝子検査キット- ハーセリーズ・オンライン
上の分析結果の画像のRR1型、RR2型、RR3型にあたるのが、「DD型(飲めない遺伝子)」と認識しておけば良いでしょう。
購入はこちら
『アルコール感受性遺伝子分析キット』
方法2.病院で「アルコール体質検査」をする
病院でも「アルコール体質検査」でお酒の強さを調べられます。
口腔粘膜を採取して、アルコールを分解する遺伝子の働きを調べます。
簡単な問診と、綿棒や専用の器具を用いて口の中の粘膜を採るだけですので、手間はかからず、時間も15分ほどです。
費用は、5,000円~7,000円程度と高めですが、正確な診断を受けられます。
診察結果は、1週間から10日ほどです。
病院によって健康診断の結果が自宅に送付されてくる場合と、自分で再来院する場合があります。
アルコール体質検査を実施しているかどうかは病院によります。
事前に病院のホームページを見たり、お問い合わせをして確認しましょう。
アルコールパッチテストで肌の色が変わる仕組み
アルコールパッチテストでは、人の身体の中で起こる「アルコールに対する分解反応」を見ています。
人間の肌や身体には「カタラーゼ」というタンパク質の一種があります。
この主な役割は、過酸化水素を利用して、肌についた液体などを酸化・解毒することです。
この性質を利用してアルコールパッチテストは行われています。
その流れとしては、皮膚につけたエタノールにカタラーゼが反応してアセトアルデヒドへと変換、その肌の色の変化によってどれくらいのALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素)が活性化されているのかというのを見るということになります。
肌が赤くなるというのは毛細血管が拡張することによって起こる現象です。
ALDH2が正しく活性化されていればこの血管拡張を抑えることができます。
アセトアルデヒドを酢酸にすばやく分解するからです。
その度合いを調べることにより人間のALDH2のタイプを知ることに繋がります。
タイプは3つとなり、「高活性」「低活性」「不活性」となっています。
テスト7分後に肌が赤くなる人は不活性型とされ、ほぼお酒が飲めない・飲むのには適さない身体と判断されるわけです。
日本人は低活性型が多いとされていて、西洋人よりもお酒が弱いというイメージはこういった根拠やデータに基づいているものとされます。
ちなみに日焼けなどの要因によってカタラーゼが弱まっているケースも考えられ、夏季や冬季といった季節によっても若干の差異はありますが検査結果に支障が出るほどではないと考えられています。
本来アルコールの分解は肝臓によってほとんどが行われますので、身体の中でのアルコール代謝の基準とされています。
しかし、この検査による皮膚の細胞変化を見る限りおよそ皮膚と肝臓では代謝のレベルが同じとされているので、アルコールパッチテストによって知り得る結果でのお酒の強い・弱いはきわめて信頼性が高いものとされています。
しかし、自宅ではテストに用いるアルコールの濃度などが正しく測ることが難しいです。
そうした意味でもやはり病院などで本格的な検査をすることがオススメされています。
「なんとしてでも下戸を克服したい」という方は、坂上太一さんのレポートを読んでみてください
もし、「なんとしてでも下戸を克服したい!」という方がいれば、下記のレポートを読んでみてください。
坂上太一さんという、下戸の方が書いたレポートです。
ビールを1口飲んだだけでダウンしていた状態から、2リットル飲んでも平気なまでになった方法が書かれています。
私もこの克服方法を実践してレビューしてみました。
興味のある方は、「実践レビュー!アルコールパッチテストで医者に下戸認定…を買って試しました!」を読んでみてください。
コメント