「L-システインを飲むと下戸を克服できる」
そんな話を聞いたことがあると思います。
確かにL-システインには、悪酔いの原因となる”アセトアルデヒド”を無力化する働きがあると言われています。
そのため、お酒を飲んだときの気持ち悪さや二日酔いの緩和につながります。
しかし、それでもおそらく、完全に下戸を克服することはできないでしょう。
ここでは、L-システインの働きについての詳しい解説と、なぜL-システインで下戸の克服ができないと考えられるか、その理由を説明します。
L-システインには、悪酔いの原因物質「アセトアルデヒド」の増加を抑える働きがある
まずは、L-システインの働きについて説明します。
L-システインには、体内の「アセトアルデヒド」の増加を抑える働きがあります。
アセトアルデヒドは、お酒(アルコール)が肝臓で分解されるときにできる、毒性を持つ物質です。
アルコールが分解される流れ
アセトアルデヒドは悪酔いの原因物質と言われており、顔を赤くしたり、吐き気や頭痛を引き起こします。
また、発がん性を持つと考えられていて、胃がんや食道がんの原因になると言われています。
L-システインは、このアセトアルデヒドと反応し、その毒性を中和します。
大手医薬品メーカーのエスエス製薬なども、L-システインの効果についてこう言及しています。
二日酔いの主な原因は、体内に入ったアルコールが代謝されてできる有害物質(アセトアルデヒド)にあります。
これが体内で増加することにより、頭痛や吐き気などの症状があらわれます。
L-システインは、この有害物質を無毒化する体のはたらきをサポートすることによって、二日酔いの症状にも効果を発揮します。
また、東北大学の研究では、アルコールを投与した後にL-システインを服用した結果、最大67%の胃内アセトアルデヒドの低下が観察されました。
本研究において、徐放性 L-システインの服用により、ALDH2 活性型では 67%、ALDH2 不活性型では 60%の胃内アセトアルデヒドの低下が観察され(図 3、図 4)、その効果は 2 時間持続しました。
以上が、L-システインの働きについての解説です。
理論的には、L-システインがアセトアルデヒドを中和することで、お酒を飲んだときの悪酔いや二日酔いはある程度避けられるはずです。
しかし、アセトアルデヒドを分解する能力がない人は、L-システインを服用しても悪酔いしてしまう可能性がある
L-システインには、確かにアセトアルデヒドを低下させる働きがあるでしょう。
しかし、それもあくまで「ある程度」です。
お酒に対して完全に耐性のない人、つまり「アセトアルデヒドの分解能力がほとんどない人」は、いくらL-システインを服用したとしても、アセトアルデヒドを完全に分解しきることができません。
体内にアセトアルデヒドが残ってしまえば、結局は気分が悪くなってしまいます。
アセトアルデヒドを分解能力の強さは何で決まるの?
アセトアルデヒドを分解する酵素を「ALDH2」といいます。
このALDH2は、遺伝子によって働きの強さが決まっており、大きく3種類に分けられます。
ALDH2をつくる遺伝子にはN型とD型がある。
N型は分解能力が高く、酒に強い。いっぽう、D型は、分解能力が低く、酒に弱い。
これらの遺伝子は両親からひとつずつ受けつぐので、NN型、ND型、DD型の三種類にわけられ、NN型は酒豪
ND型はそこそこ飲める
DD型はまるで受けつけないとなるのだ。
全日本下戸生活連絡会 (2003). 下戸でも自信が持てる本―酒の飲めない人生はこんなに楽しい! 廣済堂
NN型とND型は分解能力を持ちますが、DD型にはほとんどありません。
残念ながらDD型の遺伝子を受け継いでしまった方は、L-システインで下戸を克服することは難しいでしょう。
それでも「どうしてもお酒が飲めるようになりたい!」という方はこちら
>アルコールパッチテストで医者に下戸認定された アルコール代謝能力無しの下戸な私がたった2時間で酒豪になり 二日酔いにもならなくなった極意
ALDH2の遺伝子型をチェックする方法
自分のALDH2の遺伝子型をチェックするには、市販の遺伝子分析キットを使います。
簡単な手順で、正確な結果が分かります。
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『アルコール感受性遺伝子分析キット』
分析キットで口腔粘膜を採取し、ポストに投函すると15日営業日ほどで結果レポートが届きます。
出典:アルコール感受性遺伝子検査キット- ハーセリーズ・オンライン
こちらの分析キットでは、「ADH1B」という、アルコールをアセトアルデヒドに変える酵素の遺伝子体質も分析してくれます。
分析結果を、ALDH2とADH1Bの遺伝子の判定をかけあわせて、9タイプで表示してくれます。
出典:アルコール感受性遺伝子検査キット- ハーセリーズ・オンライン
上の分析結果の画像のRR1型、RR2型、RR3型にあたるのが、「DD型(飲めない遺伝子)」と認識しておけば良いでしょう。
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『アルコール感受性遺伝子分析キット』
お酒をまるで受けつけない体質だったら、もう解決方法はないの?
残念ながらDD型の遺伝子の方は、それ以上お酒に強くなるのは難しいでしょう……。
ただ、一時的にですが、実際に下戸の方が試してお酒を飲めるようになった方法があります。
どうしてもお酒が飲めるようになりたい!という方は「アルコールパッチテストで医者に下戸認定された アルコール代謝能力無しの下戸な私がたった2時間で酒豪になり 二日酔いにもならなくなった極意」を読んでください。
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